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多嚢胞性卵巣症候群…治療で妊娠・出産の機会

 女性の排卵が起こらなくなる「多嚢胞(たのうほう)性卵巣症候群(PCOS)」の診断基準と治療指針が確立され、患者が適切な治療を受けて妊娠・出産できる機会が増えてきた。一方で、PCOSの患者は、子宮内膜がんや高血圧、糖尿病などの生活習慣病になりやすい。専門医は、出産後も産婦人科での定期的な検診で予防してほしいと呼びかけている。

生活習慣病との関連注目

 PCOSは、月経不順をきっかけに産婦人科を受診して診断されることが多く、約5%の女性にみられる。卵巣で局所的に男性ホルモンが増えることで、卵子を含む卵胞が卵巣内で成長を止め、排卵が起こらなくなって月経に異常を来すとみられている。

 超音波で卵巣を見ると、成長を止めた卵胞がたくさんある状態が確認できるが、詳細な発症メカニズムはよく分かっていない。日本では多くないが、多毛や声の低音化、肥満が表れることもある。

 日本産科婦人科学会(日産婦)は2007年、PCOSをより確実に診断できるよう診断基準を作った。欧米では多毛や肥満がPCOSの典型的な症状とされるが、日本では排卵障害が主な症状で、違いがあるためだ。

 基準では、〈1〉月経異常がある〈2〉卵巣に多数の小さな卵胞が確認できる〈3〉血液中の男性ホルモンが高い、または「黄体形成ホルモン」の値が高くて「卵胞刺激ホルモン」が正常――を挙げ、〈1〉~〈3〉の全てを満たす場合にPCOSと診断する。


 日産婦はさらに翌08年、詳細な治療指針を作成した。妊娠・出産を希望する場合とそうでない場合に分け、段階を追った治療法を明記した。いずれも、肥満であればまず減量を勧めるとした上で、妊娠を望まない患者は、ホルモン療法などで人工的に月経を起こし、不正出血や子宮内膜がんを予防する。低用量の経口避妊薬を使う場合もある。

 妊娠・出産を希望する場合は、排卵誘発剤(クロミフェン)を使った治療を行う。それでも排卵がなければ別の薬を加えたり、腹腔鏡(ふくくうきょう)を見ながら卵巣表面の小卵胞にレーザーなどで穴を開ける「腹腔鏡下卵巣焼灼(しょうしゃく)術」を行ったりして、新たな卵胞の発育や排卵を促す。それでも難しければ体外受精を試みる。こうした治療により、PCOSの患者も妊娠・出産できるケースが増えている。

 近年、注目されているのが、生活習慣病との関連だ。詳しい原因は分かっていないが、PCOS患者は高血圧や糖尿病、メタボリックシンドロームなどになりやすい。出産後は産婦人科を受診しないために健康状態をチェックできず、子育てが一段落した頃にこうした病気になってしまっている女性が多い。

 さらに、埼玉医大総合医療センター産婦人科准教授の高井泰さんによると、欧米ではうつなどの精神疾患を抱えるリスクが高いことが知られており、日本でも注意が必要という。

 日産婦で治療指針の作成にあたった徳島大医学部長(産科婦人科)の苛原(いらはら)稔さんは「出産後も定期的に産婦人科を受診して、高血圧や糖尿病などになっていないかチェックしてほしい」と話している。(酒井麻里子)

(2013年12月12日 読売新聞)

引用:http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=89273

| 産婦人科 | 10:28 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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